2014年01月04日

宮城県沿岸の小中学校校長を対象にしたアンケート(河北新報)

<<中略>>以降に、分析の詳報が続きます。最後に引用した「校長の一言」のなかで、「モノや金、どこかへの招待、イベントなどの支援よりも、落ち着いて安心感の中で日常を過ごすことがたいせつ」という言葉が、心に残りました。
家庭、心、傷癒えぬまま
宮城沿岸小中・河北新報アンケート詳報 2014年01月04日土曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2014/01/20140104t13010.htm

宮城県沿岸部の小中学校校長を対象に河北新報社が実施したアンケートで、児童・生徒について自由記述を求めたところ、東日本大震災による影響の深刻さがあらためて浮かび上がった。家庭の状況や保護者のメンタルヘルス(心の健康)を心配する記述が多く、学校現場だけでは対応が困難な状況もうかがえる。<<中略>>

<校長の一言〜アンケートから>
■「震災前から(宮城県の)沿岸部は教育環境や教育意識が内陸部より低いように感じていた。震災で格差が広がる一方だ」(気仙沼地区の小学校長)
■「震災当時の小学生が思春期を迎える時、震災のとらえ方に変化があるのか、その変化が何らかの形で顕在化するのかを注視したい」(塩釜地区の中学校長)
■「児童・生徒のさまざまな問題が出てくるのはこれからだと思われる」(県南の小学校長)
■「被災者でもある教職員が、自分のことは口に出さず黙々と働いている」(気仙沼地区の小学校長)
■「震災後3年ぐらいで(子どもたちに)さまざまな問題が出てくると言われているが、どう対応をすれば効果があるのか分からない。具体的なアドバイスを求めても得られない。これまで通りのことをすればよい、と言われているが、それだけで本当に十分なのか分からない。無力感や焦りを感じている」(県南の中学校長)
■「復興工事に伴う大型車両の交通量が増え、登下校時の安全確保が難しい」(県南の中学校長)
■「モノや金、どこかへの招待、イベントなどの支援よりも、落ち着いて、安心感の中で日常を過ごすことが大切だと感じる」(塩釜地区の中学校長)
■「震災のことがいつフラッシュバックするか判断できない。被災した生徒たちは何年経過しても、これで解消したということはないのではないか」(県南の中学校長)
■「いつまでも被災者という意識でいては現状は変えられない。生徒には『仮設校舎でもしっかり学習できる。前を向いて未来に向かって一歩ずつ進んでいこう』と話をしている。苦しくとも上を向いて前に進めば必ず道は開ける」(塩釜地区の中学校長)
■「中学卒業後、高校などで関わる友人の何げない言動などで、傷つくことがあるのではないかが気掛かりだ。現在は同じ困難を経験してきた仲間ばかりだが…」(県南の中学校長)
■「個に寄り添った支援が継続的に必要だと思う。3年後、5年後、10年後、子どもたちの教育を受ける権利を守っていきたい。教師は子どもにとって生涯教師であり続ける」(多賀城地区の中学校長)


河北新報
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E5%8C%97%E6%96%B0%E5%A0%B1


posted by akagiyoshiko at 02:02| 地震・津波・その他災害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする