2013年12月20日

特集・首都直下型地震|首都に迫る震度7…被害想定(読売新聞)

12月19日に公表された被害想定を各紙が取り上げています。
ここでは、読売新聞の特集からご紹介します。

特集・首都直下型地震|首都に迫る震度7…被害想定
政府の中央防災会議の作業部会が19日公表した被害想定は、最も被害が大きくなる「都心南部直下地震」をはじめ、様々な震源のマグニチュード(M)7級の地震によって、首都圏が最大震度7の激しい揺れに襲われることを示した。
「30年以内に70%」と切迫する首都直下地震の想定を冷静に受け止め、防災・減災に生かすことが重要だ。
(読売新聞 2013.12.20)
http://www.yomiuri.co.jp/science/feature/20131220-OYT8T00401.htm

30年内に70%  ※図表はリンク先でご覧ください。
http://www.yomiuri.co.jp/science/feature/20131220-OYT8T00401.htm

 政府の中央防災会議の作業部会が19日公表した被害想定は、最も被害が大きくなる「都心南部直下地震」をはじめ、様々な震源のマグニチュード(M)7級の地震によって、首都圏が最大震度7の激しい揺れに襲われることを示した。
 「30年以内に70%」と切迫する首都直下地震の想定を冷静に受け止め、防災・減災に生かすことが重要だ。
 作業部会が首都直下地震の被害想定に用いた「都心南部直下地震」は、フィリピン海プレートという首都圏の下に潜り込んでいる岩板の内部で起きると考えた地震だ。
 同プレート内で起きた安政江戸地震(1855年)を参考にした。日本の行政や経済の中枢に近い東京都品川区や大田区などの都心南部直下で断層が動き、安政江戸地震と同規模のM7・3の地震が起きるとした。震源付近には、工業施設が集中しているほか、大規模火災が懸念される木造住宅の密集地域も多く、最悪の被害になるという。
 最近の研究で、同プレートの位置はこれまでよりも10キロ・メートルほど浅いことがわかってきた。震源が浅いほど地表の揺れは強くなる。今回の想定でも、都心南部直下地震で震度7の揺れに見舞われる地域が予測された。震度6弱以上の面積も4490平方キロ・メートルにのぼる。
 首都圏の地下は、北米プレートの下に、フィリピン海プレートと太平洋プレートが潜り込む複雑な構造をしており、首都圏のどこで次の直下地震が起こるのか分からない。
 このため、作業部会は、首都直下のM7級地震として、都心南部を含め、プレートの内部や境界で起こる〈1〉〜〈3〉の三つのタイプの計19地震を設定、震度分布図を作成した。
 横浜市、さいたま市などの都市直下を震源に仮定した地震のほか、活断層の立川断層帯(東京都立川市など)が動いた場合の地震の震度分布を計算した。最近の地殻変動の研究から、静岡県伊豆半島の東方沖を震源とする西相模灘の地震についても想定対象に加えた。
 想定地震の選定に携わった平田直(なおし)・東京大地震研究所教授は「直下地震は首都圏のどこで起きてもおかしくないと考えて対策を取ってほしい」と訴える。

30年内に2%以下

 中央防災会議の作業部会は東日本大震災の教訓を踏まえ、これまで想定対象にしてこなかった首都圏沖の相模トラフ(海底のくぼみ)で発生するM8級の地震も検討対象に加えた。1923年の関東大震災は、その代表例だ。
 検討の結果、房総半島の地殻変動のデータから、相模トラフの巨大地震は周期的に起きていることが判明。関東大震災型の地震は200〜400年間隔で起きており、30年以内の発生確率は2%以下だ。
 ただし、100年後には地震発生の可能性が高まり、沿岸で津波による大きな被害が心配される。このため、病院や学校など重要施設の高台への移転、防潮堤の整備など長期的な視野に立った対策を検討する必要があるとして、作業部会は今回、参考値として被害想定を公表した。
 想定では、津波は静岡県から福島県までの広い範囲を襲う。最大10メートルの津波が千葉県館山市や神奈川県三浦市に到達すると予想するが、到達時間は公表されていない。死者は2万〜7万人、全壊・全焼する建物は70万〜133万棟となり、首都直下地震の被害想定の数字を大きく上回る。
 関東大震災は、東京の下町を中心に大火災が発生し、国内の自然災害としては過去最大となる10万人以上の犠牲者を出した。
 作業部会メンバーの入倉孝次郎(いりくらこうじろう)・京都大名誉教授は「国や自治体は、次の関東大震災型の地震に備えた都市計画づくりに取り組むべきだ」と指摘する。

神奈川県に3分後、5メートル津波

 中央防災会議の作業部会は、関東大震災型の地震が起きた時に発生する津波の様子をコンピューターで再現した。
 地震発生直後から、相模湾沿岸の広い範囲に津波が押し寄せ、1分後には房総半島にも到達。3分後、5メートルを超す津波が神奈川県を襲う。5分後には相模湾東部や伊豆大島に高い津波が到達。10分後には伊豆半島東部でも高い津波が観測され、その後も相模湾や房総半島に津波が何度も押し寄せる。東京湾内では1時間後に湾奥部に到達する。

(2013年12月20日 読売新聞)
posted by akagiyoshiko at 20:37| 地震・津波・その他災害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする